ボーアやハイゼンベルク、シュレーディンガーは、奥深い世界については、科学ではなく、東洋思想に、パウリはユング心理学にヒントがあるのかもしれないと考えてそれらを学んだのかもしれません。

 最先端科学をリードしたボーアやハイゼンベルク、シュレーディンガー等も、

実験・因果関係・数学などを道具として使い、答えが出るものだけを扱う「科学」だけでは飽き足らず、

東洋思想をも知として取り入れたということは、本来そういうあり方がバランスの取れた考え方と考えたからかもしれません。

 限界があると思われる科学だけを信じるというスタンスでもいけないし(実証できない世界は一切無視するというのはどうかということです。)、

かといって、実証ができないようなものだけを拠り所とするのもいけないし、どちらも均衡的に取り入れて、指針とするというのがバランスの取れたあり方かもしれません。

 デヴィッド・ボームのホログラフィー理論は、量子論に基づく、厳密に数学で示された理論ではありますが、ただ確かめようがないので、仮説に留まるものです。

 しかし、ボームがいうような明在系の周りを囲み覆い尽くすかのような、本質の世界といっていい、暗在系があるのであれば、

ミクロの世界は、この暗在系(私たちが伺い知れない世界)と、明在系(私たちの日常世界)との境界であるため、

ミクロの世界に、暗在系の秩序が滲み出しており、ゆえに時空をも超えたような、不思議な性質がそこに染み出ているのかもしれません。

 暗在系の存在は不明ですが、ただ、ミクロの世界が精妙なワンダーワールドであることは確かだと思います。

 中には、もっと直接的に、このようなミクロの世界の不思議さを表現せずにいられない学者もいるようで、ボームと同様に、アインシュタインの共同研究者でマンハッタン計画にも参加し、

ブラックホールの命名者でもある、ジョン・ホィーラーは、

「どんな素粒子の現象も人が観察してこそ初めて本物の現象になる」

と述べています。

コーネル大学名誉教授のデビット・マーミンはもっと直接的に、

「誰も見ていないなら、そこに月なんて存在しない。」

とまで言い切っています。

「誰も見ていないなら、そこに月なんて存在しない。」などということは、信じられないアインシュタインは、もうこれ以上、仲間の科学者に聞いてもしかたがないということで、

哲学者に、「そんなわけないだろう。誰も見ていなくても、月はそこにある。」

との答えをはっきり言ってもらって、安心するためかどうかは不明ですが、

インドの思想家ラビンドラナート・タゴールのもとを訪ね、

「私が見ていないときは、月は存在しないのですか?」

と尋ねたところ、あっさりと、「その通り」との答えが返ってきて、落胆したとのエピソードもあります。

 ともあれ、この世界は、ニュートン力学で示されるような、単純な機械論的な世界ではなくて、もっと得体の知れない精妙な世界であることは確かのようです。

 フランスの哲学者で、記号論の第一人者ロラン・バルト(1915-1980)は、

「原始宗教とは無縁な現代社会においても、神話的構造が日常生活の秩序を裏からひそかにささえている。」

的なことを言っているのですが、

バルトは、量子力学者ではない哲学者なのですが、得体の知れない精妙で、神話的世界が日常の背後にあることを嗅ぎ取っていたのかもしれません。

(「不思議な体験」 周囲が受け止めて)

(上記より以下引用)

「東日本大震災の犠牲者と遺族が再会した「不思議な体験」の聞き取りを、ジャーナリストの奥野修司さん(67)=東京都在住=が被災地で続けている。切々とした告白からは、喪失感の大きさ、魂と再び巡り合った喜び、体験を周囲に理解してもらえない苦しみ…といった遺族の心の深奥が垣間見える。

中略

霊体験を語ることを否定的に捉える面がある風潮について、奥野さんは「遺族の悲しみを現代社会が受け止め切れていない」との考えを示す。霊がいる、いないではなく、遺族の体験そのものを素直に尊重すれば「遺族が語りやすくなり、悲しみのセルフケアにつながる」と説く。」

(引用終わり)

 ミクロの世界は、前述したようにワンダーワールドそのもので、しかもなぜ、そのようなふるまいをするのかは、人間には分からせないような仕組みに、この世界はなっているように思えます。

 なので、科学ではその先については探索しないし、そもそも触れないというのが、コペンハーゲン学派やその後継者達のような多数派の暗黙の了解になっているだけで、

(但し、これも前述したように、ノーベル賞受賞者が、軒を連ねるコペンハーゲン学派の量子力学者達なども、もう科学的な探求はしないけれども、ただ東洋哲学やユング心理学的なアプローチによる探求は続けるという態度を採る人は多くいました。)

科学は万能ではなく限界があって、科学で全てが説明できるわけではないということを認識しておいたほうがよいのかもしれません。

 このような認識があれば、上記記事にあるような不思議な体験をされた人の話を、無碍に扱うということをする人も少なくなるのではないかと思います。

 ボームが言うような暗在系のような次元があるかもしれないわけですから、「あるかもしれない」という前提で話を聴くのは、「ないという実証はできないが、ないと言いきるべき。」という考えよりも、人に優しいものではないかと思います。

 だからといって、実証できないオカルト的なことを絶対的なものとして、それ一辺倒になるのももちろん、望ましいことではないものとも思います。

 前述しましたように、バランスの取れた考え方ができるとよいのではないかと思います。

(<祈りと震災>(19)それで心満ちるなら)

(上記より以下引用)
 

「浄土真宗本願寺派の僧侶金沢豊さん(34)は京都市から毎月、岩手県南を中心に被災地に通う。仮設を訪ね、ひたすら傾聴する。2011年秋から1000軒ほどを訪ね、約200軒の被災者と話をした。時に打ち明けられるのは超自然的な現象や幽霊話だ。

(中略)

「頭がおかしくなったって思われるから、あんまり他人には言えねえんだ」。そんな諦めに似た声も聞いた。」

「死者の声を封じ込めてはいけない。亡き人の存在を縁(よすが)として生きる、残された人たちの言葉を聞く」。少しでも心をほぐせればと玄関のベルを鳴らす。

(引用終わり)

 現代最先端科学主流派のコペンハーゲン解釈も、

「月は誰も見ていなければない」というような常識では信じがたい話になっていて、

これでは納得がいかないということで、出てきた、

多世界解釈では、「決して見れないパラレルワールドがある」、

波乗り解釈では、「謎の波が出る」、

そして波乗り解釈の提唱者ボームは、

「この世である明在系を包む本質の世界であるあの世つまり暗在系がある。」

的なことまで言っていて、探れば探るほど、摩訶不思議な世界観しか出てこないようです。(^^;)

 いずれにしても、この世界は本来はワンダーワールドであるというのが、最先端科学の結論と言っていいのではないかと思います。

 ただ、この先は、実証が現在では無理なので追求しない、できないだけなのかもしれません。

 科学で実証できない哲学的なことを考えたところで、科学技術が発展するわけでもないですし、量子コンピュータの開発などをしていたほうが実利的であると考えていらっしゃる科学者が多いのではないかと思います。

 この世界は、単純な機械論的な世界ではなくて、精妙で摩訶不思議なワンダーワールドであることが本来の姿なのでしょう。

 なら、不思議な体験を語る人達の話を、信じきる必要はないのだけれども、受け止めて、

ただ、「そういうこともあるかもしれないし、ないかもしれないけど、この人はそういう体験を実際にしたのだなあ。」

という態度で、聴いてあげるということがあってもいいのではないかと私は思います。

 Aさんという人が、Bさんという人を好きだと、友人のCさんに話した場合、本当にAさんが、Bさんを好きだということを誰も科学的に実証することはできません。真実は、Aさんのみが知ることで、他人は決して真実はわかりえません。

 しかし、「Aさんが本当にBさんを好きであるということは、科学的に実証することができないので、Aさんの話は真実かどうかわからないため、聴いてあげる必要はない。」

とは、Cさんは言わないことでしょう。

 友人であるなら、親身になって話を聴いてあげるものと思います。

 「私は今朝、このような夢を見た。」ということを、他の人にも、確信が持てるように科学的に実証することはできません。

  しかし、夢を見た人にとっては、その夢は現実に見たわけですから、現象として確かに存在していたわけであって、また

「今日、こんな楽しい夢を見たんだよ。」と誰かに話すと、

「よかったね。楽しい夢を見たね。」とその人はしっかりと受け止めてくれると思います。

 上記のような不思議な体験を語る人達の話も、同様に受け止めることができる人が増えれば、救われる人もまた増えるのではないかと思います。

 行政書士・マンション管理士・1級建設業経理事務士 佐々木 賢 一

(商工会議所認定 ビジネス法務エグゼクティブ(R)・日心連心理学検定(R)特1級認定者(第16号)・日商簿記検定1級認定者・FP)

大阪府行政書士会所属(会員番号4055)・大阪府行政書士会枚方支部所属

Blog:http://sasakihoumukaikei.blog.jp/(大阪・寝屋川:佐々木行政書士・マンション管理士事務所ブログ)
 
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