今回から、「ターミナル法務とサナトロジー」と題するブログをはじめます、大阪・寝屋川の行政書士・マンション管理士・ファイナンシャルプランナー(FP)の佐々木賢一と申します。

 東京商工会議所主催ビジネス実務法務検定試験(R)1級・日商簿記1級・日心連心理学検定(R)特1級の3つの1級資格を保持する、おそらく日本で唯一のトリプル1級ホルダーの行政書士だと思います。多角的な視点から思考することができる総合的なサポーターを目指しています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、なぜ行政書士・FP等である私が、このようなブログを始めたかというと、以下のような理由からです。

 行政書士の仕事には、遺言作成のお手伝いや、相続に関する戸籍等の収集作業、預貯金解約、名義変更手続、遺産分割協議書や財産目録の作成、株式等の有価証券の名義変更、自動車の移転登録等の手続等をお忙しい依頼者に代わって行わせて頂くと言う業務があります。

 これらの業務は、人生の終末期に関わらせて頂く仕事で、私は「ターミナル法務」と呼んでいるのですが、このターミナル法務は、医療ではないけれども、ターミナルケアの一端を担う仕事であると思っています。

(ここでいうターミナル(終末期)は、医療でいうターミナルとは少し違い、もう少し広い意味を指しており、終活的な意味合いのものです。)

 であるなら、ただ単に、法務手続的なことのみを意識するのではなく、依頼者やそのご家族様の心情等もできる限り理解するためにも、サナトロジー(死生学)的なバックボーンも持つべきではないかということで、サナトロジーに対して以前から興味を持ち、関連書籍を読むなどの勉強をしてきました。

 また私は、行政書士やFPの相談業務において、事務的に相談に乗るだけではなくて、カウンセリングマインドを持って、相談者の心にもなるべく寄り添いたいということから、心理学を学び、日心連心理学検定(R)特1級試験に合格し、その資格認定をいち早く、全国で16番目に受けたのですが、サナトロジーがこの心理学とも非常に関連が深いということも興味を引き付ける要因の一つでした。

 このようなことから、サナトロジーに関する情報を、多くの人と共有したいということがこのブログを始めようと思ったキッカケです。

 なお、サナトロジー(死生学)は、尊厳死問題やターミナルケアなどを背景に、1970年代に現れた新しい学問領域で、死を見つめながらも、それを乗り越え、生を見つめなおすことをも目的とするものです。

 その射程領域は、「死生観研究」と、ターミナルケア現場、心理カウンセリング現場、教育現場での死生観教育などの実践の研究を行う「臨床死生学」とに大きく分かれるとされています。

 10年ほど前から、大学などの教育現場でも、サナトロジーの講義が多く行われるようになってきているようで、「死生学」という、ちょっと引いてしまいそうな名称にも関わらず、多くの学生が興味を持って学んでいるようです。

(波多江伸子の部屋!タナトロジー(死生学))

(上記より以下引用)

「福岡市内の大学で、非常勤講師として「タナトロジー(死生学)」を担当している。初めての講義の時、「こんな陰気な科目、だれも受講しないよね」と思いつつ教室に行ったら、あふれんばかりの受講生で驚いた記憶がある。それから4〜5年経つが、相変わらず受講生は多いままだ。」

(引用終わり)

 ちなみに、サナトロジーの語源は、ギリシア神話の死の神「タナトス(Thanatos)」です。そのため、タナトロジーと呼ばれる場合もあるようです。
 (死生学のある意味元祖でもあるフロイトも、「死への欲動」を「タナトス」と呼び、その学説の重要な要素としています。)

 「死生学」という「死」という字が入った名称では、ちょっと怖いという人もおられるかもしれませんので(^^;)、本ブログでは、なるべく「サナトロジー」と呼んで行きたいと思います。

 「ええ?若くて元気で、死のことなんて意識にカケラもないであろう、若者に、死生学みたいな暗くて縁起でもないものと学生が考えそうなものを教えているのか?受講生が集まるのかな?」と私も、はじめは思っていたのですが、かなりの人気がある場合もあり、また以下のように専攻課程や専攻研究所もできはじめているようです。

 https://www.youtube.com/watch?v=Hrn7L9_BTCU
(関西学院大学人間福祉学部人間科学科で学ぶ「こころ(スピリチュアリティ)」
について:死生学の講座に関する動画)

(上智大学HP「実践宗教学研究科死生学専攻(修士課程)」が2016年4月に開設
されます)

(大阪大学人間行動学講座臨床死生学・老年行動学)

(東北大学臨床死生学研究会)

(明治大学死生学研究所)

(東洋英和女学院大学大学院死生学研究所)

 上記、東洋英和女学院大学大学院死生学研究所の公開講座では、「「臨死体験の語り」とその語り」「「チベットの死者の書」と六道輪廻図」」なども講義されていて、一般の方々の興味も引きそうなテーマの講座だと思います。

 統計数理研究所は、1953年以来5年毎に「国民性調査」を行っているのですが、そのなかで「あの世について信じるか」という項目があります。

 1958年の統計では、信じるが20%、信じないが58%でした。

 2013年の統計では、これが逆転して、信じるが40%、信じないが33%となっています。

 1958年と言えば、経済成長著しい時代でしたので、そんな死生学的なことよりも、いかに経済的に成功するか、それだけを考え、それだけが目標で、それだけが目的であるという人生観を持つ人が多かった時代だったのかもしれません。

 ところが、そういう人達も、死生学的な意識を持つことが少なかったゆえに、いざ自分が老いを迎えると、直面する死に対するイメージや考え方を持ちにくいため、揺れ動く死生観の中で、悩みまたそれに翻弄されることになるやもしれません。

 だからこそ、サナトロジーが強く求められる時代になっているのかもしれません。

 そんな時代の要請により、スポットライトが当たりつつあるサナトロジーに関する情報について、多くの方々と共有していきたいと思っておりますので、今後ともなにぞとよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

行政書士・マンション管理士・1級建設業経理事務士 佐々木 賢 一
(商工会議所認定 ビジネス法務エグゼクティブ(R)・日心連心理学検定(R)特1級認定者(第16号)・日商簿記検定1級認定者・FP)
大阪府行政書士会所属(会員番号4055)・大阪府行政書士会枚方支部所属

Website:http://sasakioffice.la.coocan.jp/Blog:http://sasakihoumukaikei.blog.jp/(大阪・寝屋川:佐々木行政書士・マンション管理士事務所ブログ)
 
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